退職後の健康保険:国民健康保険 vs 任意継続
会社を退職すると、健康保険は国民健康保険(国保)に加入するか、 元の会社の健康保険を最長2年延長する任意継続被保険者になるかの二択です。 退職前の給与と前年の所得を入力すると、年間の保険料をその場で比較できます。
くわしい条件(年齢・国保の加入者数・都道府県)
両方式の比較(年額)
任意継続とは?申請期限は20日以内
任意継続被保険者は、退職後も元の会社の健康保険をそのまま延長できる制度です。 ただし保険料は会社負担がなくなり、全額自己負担になります。主な条件:
- 退職前に継続して2ヶ月以上会社の健康保険に加入していたこと。
- 退職日の翌日から20日以内に申請すること。期限を過ぎると加入できません。
- 加入できるのは最長2年間。それ以降は国民健康保険か再就職先の健康保険に移行が必要です。
給与が高い人ほど任意継続が有利になりやすい理由
任意継続の保険料算定基礎には上限があり、令和8年度は32万円/月です。 退職前の給与がどれだけ高くても、保険料はこの32万円を上限として計算されます。 一方、国民健康保険の所得割には給与の月額のような上限はなく(各区分ごとの年間上限のみ)、 前年の所得が高いほど保険料も上がる傾向があります。そのため、退職前の給与・前年所得が 高い人ほど任意継続が有利、低い人ほど国民健康保険が有利になりやすい傾向があります。
扶養している家族がいると結論が変わります
任意継続の保険料は退職時の標準報酬月額だけで決まります。配偶者や子を 被扶養者にしても保険料は1円も増えません。一方、国民健康保険には 被扶養者という考え方がなく、加入する人数ぶんだけ均等割が加算されます。
そのため、扶養する家族が1人増えるだけで結論が入れ替わることがあります。上の計算機の 「扶養している家族の人数」を入れてから、もう一度結論を見てください。
- 任意継続:被扶養者が何人いても保険料は同じ。ただし被扶養者になるには年間収入130万円未満(19歳以上23歳未満で配偶者以外は150万円未満、60歳以上または障害厚生年金を受けている場合は180万円未満)などの要件があります。
- 国民健康保険:加入者1人ごとに医療分・後期高齢者支援金分・子ども・子育て支援金分の均等割がかかり、40〜64歳の人にはさらに介護納付金分がかかります。
国民年金には影響しません
どちらの健康保険を選んでも、国民年金は別途全額自己負担になります (厚生年金は退職と同時に終了するため)。国民年金と健康保険は別の制度なので、 上記の「どちらの健康保険がお得か」という比較には影響しません。
よくある質問
任意継続被保険者とは何ですか?
退職前に継続して2ヶ月以上会社の健康保険(協会けんぽ・組合健保)に加入していた人が、退職後も最長2年間、元の健康保険を延長できる制度です。保険料は会社負担がなくなり全額自己負担になります。退職日の翌日から20日以内に申請する必要があり、期限を過ぎると加入できません。
任意継続はなぜ給与が高かった人ほど有利になりやすいのですか?
任意継続の保険料算定基礎には上限があり、令和8年度は32万円です。退職前の給与がどれだけ高くても、保険料はこの32万円を上限として計算されます。一方、国民健康保険の所得割には給与の月額のような上限がなく(各区分ごとの年間上限のみ)、前年の所得が高いほど保険料も上がるため、給与・前年所得が高い人ほど任意継続が有利になりやすい傾向があります。
任意継続が2年満了したらどうなりますか?
任意継続は最長2年で終了し、その後は国民健康保険に加入するか、再就職先の健康保険に入る必要があります。期限が近づいたら早めに次の手続きを確認しておくと安心です。
途中で国民健康保険に切り替えられますか?
任意継続は原則として2年間は自己都合での脱退ができません(再就職して新しい健康保険に入る場合や、保険料の滞納などで資格を失った場合を除く)。国民健康保険にはこうした制限はありませんが、任意継続は後戻りしにくいため、加入前によく比較検討することをおすすめします。
配偶者や子どもがいる場合、どちらが得になりますか?
任意継続は被扶養者が何人いても保険料が変わりませんが、国民健康保険は加入する人数ぶんだけ均等割が加算されます。そのため扶養する家族が多いほど任意継続が有利になりやすく、本人1人だけの比較とは結論が逆になることがあります。上の計算機で「扶養している家族の人数」を入れて比べてください。なお任意継続の被扶養者になるには、その家族の年間収入が130万円未満であることなどの要件があります(年齢などにより金額が変わる場合があります)。
本シミュレーターは一般的な情報整理であり、税務・法律上の助言ではありません。 任意継続の算定基礎は本来「標準報酬月額」(給与額を等級表に当てはめた金額)を用いますが、 本試算では入力された給与額をそのまま簡易計算しています。国民健康保険は 東京都標準保険料率(令和8年度)を参考値として使用しており、 実際の金額はお住まいの市区町村により異なります。世帯に複数の所得者がいる場合、 国民健康保険の所得割は入力した所得金額のみで一度だけ計算しています(各加入者に 43万円の基礎控除を個別に適用していません)。健康保険組合に加入していた場合は 協会けんぽと異なる算定方式となることがあります。国民健康保険の軽減制度、 任意継続の途中資格喪失(保険料滞納など)は試算に含まれていません。 正確な金額は加入していた協会けんぽ・健康保険組合、またはお住まいの市区町村にご確認ください。